第497問(2015年5月3日 千田五段-中村亮介五段戦) |
(問497-1) 先手千田五段、後手中村五段で戦型は先手の居飛車に後手は向かい飛車。その序盤、いきなり先手が(練習では指したと言う)意表の仕掛けを敢行、一気に定跡とは外れた難しい中盤戦へ突入した。 下図はその仕掛けからの攻めの最中。今先手に▲6六角と打たれ、▲3三角成を見られているが、香を持たれているため、平凡な△4三金では▲4四香と打たれてしまう。ここで指された後手中村五段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問497-2) 先手は後手に攻めを受け止められ、ここでは苦しくなっている。今、△9七香成と成り込まれ、平凡な応手ではこのまま攻めきられてしまいそうだ。そこでここで指された先手千田五段の指した手は?解答は次の一着だけになっているが、5手先まで読み進めて受けながら反撃するにはどうしたら良いか? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問497-1解答)「自陣角で攻めを受け止める」 現状香損でも、とにかく後手は△2四飛や△9四歩など楽しみは多い。なのでここさえ凌げば優勢になるという局面だ。問題に書いたように△4三金はダメだが△4二金なら自然。しかし▲9三香成の筋が残り、▲2三香と俗に打ってくる筋も結構面倒。 そこで、中村五段の指した一手は△5一角と自陣角で受ける手だった。ちょっともったいない気はしても、角を敵陣にすぐ使える訳ではないし、他に楽しみが多いので自陣角を打つことに躊躇しない局面ではある。 本譜は、この後先手の攻めを後手が受け止めたのだが、俗手の▲4一金から簡単には離されない攻めで終盤戦へ入っていった。 |
(問497-2解答)「敵駒を重くして反撃」 ここでの次の一手は▲9九香。これに△9八香とした後、▲9七銀△同飛成▲7五角と反撃に移った。ここまで来ると▲9九香と△9八香の交換が後手の攻めを重くしていることが分かる。香を犠牲に、攻めを遅らせる手筋だった。 本譜はその▲7五角に△9六龍と引いた手が当然に見えて疑問。直後の▲5四桂からの攻めが鋭かった。一気に後手玉の寄せを見ると、最後は後手からの反撃を余し、先手の千田五段が勝利した。 なお、この一戦から作成した「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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