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NHK杯に見る受けの手筋

(2015年5月25日出題)

第500問(2015年5月24日 佐々木勇気五段-藤原七段戦)
(問500-1)
先手佐々木五段、後手藤原七段で戦型は角換わり腰掛け銀。どのような形で仕掛けるか難しい局面は続いたが、それでも先手が仕掛け華々しい中盤の攻防が繰り広げられた。今、▲2六飛と銀を取り返し、角と銀それぞれ二枚ずつの交換が行われたところ。ここで先手からの狙いはいろいろ見える。まずそれを一手で防ぎ、そしてさらにその後後手はどう指したか?後手藤原七段の次の三手、特に三手目を考えて欲しい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問500-2)
巧みな凌ぎで後手玉が捕まらなくなり優勢となった。今、先手も▲8六歩と角にヒモを付けつつ入玉をにおわせる手を指したところ。ここで後手の指した手は?「次の三手で負けない手を選んだ。」と言えば?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問500-1解答)「先手で厚くする手段」
問題図で先手からは▲2四飛や▲4六飛と歩を払う手の他▲4四角なども気になるところ。それを一手で防ぐとなれば△3五銀は盤上この一手でいかにも味の良い一着だ。ただ▲2九飛にどうするかで自然な一手は△4七歩成。しかし自然ではあるが受けとしては弱い。実戦は△3六角とこの地点に角を放った。これが△1八角成を見つつ、2五、1四の地点も受けている何とも厚い一着。先手でこの角が入り、後手玉への寄せが徐々に見えなくなっていった。

本譜は、途中先手の飛車を殺した手に対し、▲1四角と言う才能を感じさせる一着で返したがそれでも先手難局の局面は続いた。

(問500-2解答)「まず負けをなくす手を優先」
ここで後手の指した次の三手は△2五玉▲9五歩△2六玉。玉は△2四でも現時点ではすぐに寄ると言うことはない。しかし攻めると駒を渡し、(先手に)駒が入ると、▲2八歩などで成駒を動かされ▲2六や▲3六に金駒を据えられ逆転する可能性が生じる。そこで玉を△2六まで進めるのが手厚い。これで後手玉が捕まることはなくなり、最低でも持将棋(△8二の飛車を▲8五の角と交換)。先手玉が寄ると思えば寄せに出られるという状態に持っていった。

本譜は持将棋を狙うのではなく果敢に寄せに出た。そして最後は華麗な一着で先手玉の入玉を阻止し、後手の藤原七段が勝利した。その最後の一手を見て投了となった華麗な一着をそのまま詰将棋にしたので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。
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