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NHK杯に見る受けの手筋

(2017年3月20日出題)

第590問(2017年3月19日 橋本八段-佐藤和俊六段戦)
(問590-1)
先手橋本八段、後手佐藤六段で戦形の最初は居飛車対三間飛車から。しかし先手が居飛車穴熊に組み進めると、後手は△7四歩から△7三銀〜△7二飛と袖に振り戻し、定跡を離れた力将棋となった。戦いは、後手が穴熊の玉頭から襲いかかって開始。難解な中盤から終盤戦へ入り、今△9二香打と二段ロケットを据えたところ。このままの状態で△9七歩成から△9六歩を喰ってはまずい。そこで先手の指した手は?先手橋本八段の指した受けの一着は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問590-2)
後手からの攻めを一旦は凌ぐと、先手も反撃に出た。しかし後手も頑強に粘り決め手を与えない。下図はその猛攻の最中。今、▲1三角成と▲2四の角を成り込んだところ。△同香は▲1二銀打の一手詰みなので取ることは出来ない。▲2三の銀も馬も取れないと普通は受けがなくなるものだが、この局面はまだ凌げる筋がある。ここで指された後手佐藤六段の次の一手は?ここからの攻防を五手まで。

なお、後で調べたところ、この局面は先手玉に難解な詰みが生じている。その詰み筋は「実戦の詰み」に載せた。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問590-1解答)「穴熊に固執しない」
穴熊の受け方としては、金銀を埋めて耐えるというのが基本でもある。しかし、同時に、相手の攻めが細い時や、一点に集中された時などは、逆に穴熊からはい出して外に出た方が捕まりにくいということもある。この局面がまさにそうで、▲9七の地点だけを受けようとするとかえって駒を渡せなくなり、また脱出することも出来なくなり受けが利かなくなる。そこで▲8七玉がこういう場合の手筋。△9七歩成からの攻めがあるので、逃げ切ったという訳ではないが、少しの間小康を得、反撃に転じることが出来た。

実際本譜は反撃に回り、先手ペースになったかと思われたが、後手も頑強に受け難解な終盤戦が続いた。

(問590-2解答)「穴熊の受け−利きを足せる場所があるうちは受かる」
馬も銀も取れず、次に▲2二へ殺到される手があると受けがなさそうに見えるが、△1二金が唯一の受け。▲同銀成△同香に再度の▲2三銀も今度は△1一に空間が空いた為、△1一銀と受けることが出来る。薄氷の受けだが、2筋に歩が利かないこともあり攻め切るのも容易ではなかった。

本譜は問題図でも先手玉に詰みがあったが、この終盤の攻防で銀と香の交換が行われ、後手にとってはさらに有利な状況に。そして最後はその先手玉を見事に詰めて後手佐藤六段が勝利し決勝へ進出した。

なお文中にも書いたように、第2問の先手玉には詰みがある。それをそのまま「今日の実戦の詰み」として載せたのでそちらもどうぞ。
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