第599問(2017年5月21日 塚田九段-畠山鎮七段戦) |
(問599-1) 先手塚田九段、後手畠山七段で戦形は相掛かり戦。先手の塚田九段が棋風通り▲3七桂からいきなり端を突き捨て動いた。これに後手が反撃し、空中戦のように華々しく大駒が飛び交い、大乱戦となった。 下図はその終盤。今△2四飛と△3四にいた飛車を一つ寄って成りを見せて先手の応手を聞いたところ。▲2七歩と受けるのは自然だが、歩切れになり、飛車を打ち込まれると受けづらい。そこでどうしたら良いか。先手塚田九段の指した次の三手を。成りを受けつつ反撃する手段とは? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問599-2) 今、▲2一飛と下ろし▲5三銀の一手詰を見せたところ。先手玉が詰まない以上、これは受けるしかない。ここではどのように受けるのが良いか?後手畠山七段の指した次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問599-1解答)「大駒交換で間接的に受ける」 成りを防いだ後も厳しい攻めがあるなら単に受けておく手も考えられるが、ここは▲2五歩と飛車頭に打ち、△同飛に▲4四桂が鋭い反撃筋。△同歩で桂損はするが、▲3四角と打てば飛角交換になり、結果飛車成りを受けたことにもなっている。 なお、桂が先か、▲3四角を打ち▲4四桂を狙うかはその時々の状況により違うので、正確に読みを入れる必要がある。 本譜は激しい戦闘が行われたにも関わらずずっと難解な良い勝負が続いた。そして第2問、詰めろで飛車を下ろし、少し先手に形勢が傾きかけたかと思われた。 |
(問599-2解答)「安い駒から考えるのが基本」 ▲2一飛は▲5三銀の一手詰なので何か受けるしかない。その受け方も、大駒を使ってしまうのは▲2五飛成と成り返られる手のある局面ではあまり考える必要のない手だ。と言うことで、(歩が使えない以上)ここではほぼ△3一桂か△4一桂の二択。しかも△3一桂では、いつでも▲5三銀と打たれ、下段に落とされる手を見られてしまうので、やはり△4一桂とこちらに打っておくのがもっとも自然な受けになる。 本譜はそれでも少し先手が良いかと思われた。実際、微差ながら先手が残していたようだったが、最後、ちょっと気づきにくい詰みがあり、この詰みを逃したために後手畠山七段の逆転勝利となった。 その気づきにくい詰みは「今日の実戦の詰み」にそのまま載せたのでそちらを見て下さい。 |
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