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NHK杯に見る受けの手筋

(2019年1月7日出題)

第681問(2019年1月6日 三枚堂六段-近藤誠也五段戦)
(問681-1)
先手三枚堂六段、後手近藤五段で戦型は角換わり腰掛け銀。最新の研究通りに手がどんどん進み、あっという間に終盤戦に突入した。下図は、今△6六桂と急所の攻めを後手が放ったところ。7筋に歩が利くのでこの金は逃げられない。そこで先手はどうしたら良いか?先手三枚堂六段の指した次の一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問681-2)
終盤は、後手猛攻の順が続いた。先手玉が寄るかどうか難しい戦いだったが、下図はようやくその猛攻を凌ぎきり一段落しようかというところ。ただし、次に△6七角成からの詰めろを見せられており何か受けなければならない。ここで指された先手の次の一手は?見ていて「なるほど!」と思わせる次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問681-1解答)「金の守りを残して置く」
ここで三枚堂六段は▲7七金打と金を一枚投入して受けた。これはこのままだと△7八桂成と金を取られ、いわゆる裸玉になり持ちこたえられないと見ての辛抱で同時に桂取りで攻めをせかしてもいる。△7八桂成▲同玉でまだ簡単に寄せられることはないが、ここから後手の猛攻が始まり、寄るか凌げるかという勝負が延々続くことになった。

本譜は、その猛攻に一旦中段から上に玉は上がったが、再び下段に落ちてきて、第2問へ続いている。

(問681-2解答)「(相手の持ち駒を見て)手を稼ぐ受け方」
6七の地点を受けるだけなら普通は▲6八歩とかであり、この地点に相手の駒の利きが多い場合は、▲4九玉などの早逃げをまず考える。しかし実戦▲6九香は相手の持ち歩が一枚しかないことを見越した手を稼ぐ受け方。二歩あれば△6八歩から△6七歩で受けになっていないが、本譜△6七銀と打たせられればその瞬間に▲4九玉で香は取られても銀を使わせた上に手も遅らせることができる。

本譜はこの後先手も攻めを間違えたのかもしれない。今度は後手玉が詰むかどうかという局面になり、実際即詰みもあったと思われるがそれを逃し白熱の終盤戦が繰り広げられた。それでも最後は先手が後手の攻めを残し、先手三枚堂六段の勝利となった。

なお、この将棋の投了三手前の局面、逃げ方を間違えるととん死という状況になっており、それを問題にしたので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。
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