第684問(2019年1月27日 佐藤天彦名人-広瀬竜王戦) |
(問684-1) 先手佐藤名人、後手広瀬竜王で戦型は角換わり腰掛け銀。双方が▲4八金(△6二金)・下段飛車の形から、後手が9筋を受けずに△6五歩と先攻して戦いが始まった。その後、先手は▲5五銀左と強くぶつけて、後手からの△4七銀〜△5八角の攻めを迎え撃った。下図は瞬間先手の銀得だが、飛金取りになっており、形勢は難しい。ここでは大きく形勢を損ねない為に、この一手という場面。先手佐藤名人の指した次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問684-2) 終盤になり、後手は駒損を回復し、局面も有利に進めている。下図は、▲3三香では攻めが細いと見て、▲3六香と控えて打ったところ。部分的に3三の地点を受ける手はないし、すぐ受ける必要もない。そこで何を指したら良いか、何が有効手なのかは難しい。ここで指された後手広瀬竜王の指した次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問684-1解答)「駒得を主張する局面」 飛車を逃げれば、金銀交換になり駒の損得はなくなるが、馬の威力が大きく先手敗勢。ここでは金の方を助けるのが絶対で、どのように助けるかということだけ。それも、実戦のように引くのがもっとも自然で正しい受け形と言える。これで、飛角交換になり、飛車は打たれるが、駒得を主張し終盤戦を戦うことになる。 本譜は、難しい戦いが続いたが、後手の飛車に動かれると、持ち駒を投入せざるを得なくなり、少しずつ後手が良くなっていった。そして、駒損も回復し第2問に続いている。 |
(問684-2解答)「盤面を占拠する攻防の銀」 目に映るのは、△3五歩と打ち▲同香△3六歩の反撃だが、広瀬竜王は、△5五銀と打って先手の攻めを待った。この銀は、もちろん角取りではあるが、それより▲6四角などを防ぎつつ、攻めを催促している意味合いの方が強そうだ。 実際、この角を銀で取ることにはならず、ここから先手の猛攻が始まり、それを後手は丁寧に受けることになった。 本譜は、先手の攻めも少しずつ足りない状況で、後手が攻めを余すと、最後は先手玉を即詰みに討ち取り、後手広瀬竜王の勝利となった。 なお、この将棋の最終盤から後手玉の詰みを作成したので「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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