第730問(2019年12月29日 永瀬二冠-渡辺三冠戦) |
(問730-1) この将棋はNHK杯ではなく、将棋の日に行われた「次の一手名人戦」を12月29日に放送したもの。 先手永瀬二冠、後手渡辺三冠で戦型は相掛かり戦。先手が棒銀模様に銀を繰り出し2筋を制圧すると、後手は中央へ飛車を回り玉のコビンに狙いを定めた。下図は今△1三歩と攻めて来た銀に働きかけたところ。部分的にこの銀は助からないが、ここではどう対応するのが良いか。盤面全体を見て先手永瀬二冠の指した次の一手を考える。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問730-2) 後手の強烈な攻めを頑強な受けで凌ぎ、将棋は逆転した。下図は今△4七桂成と成り次に△5八成桂▲7九玉△2九飛成までの3手詰。しかし先手の手番なので平凡に▲5九歩のように受けても先手十分そうだ。しかしここで永瀬二冠はさらに明快な順で勝ちをはっきりさせた。ここで指された先手の次の一手は何か?実戦の進行を5手まで問う。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
|
(問730-1解答)「馬は自陣に」 部分的には▲2五銀と引けば△同桂▲同飛で銀桂交換になる。しかし、後手を引いた上、飛車が守りに利かなくなるので、その瞬間に△5九銀などを打たれあっという間に負けになってしまう。実戦、▲4七角成と馬を自陣に引きつけたのが手厚い一着。△1四歩で銀は損するが(先に桂得しているので銀桂交換)、歩切れの後手から早い手はない。 本譜は△1四歩▲7四歩に△3九角▲5八飛△3五歩と進み飛車回りを見せた。そしてこの後、放送時間に入らなかった為、手順だけが進み、先手が優勢となり第2問に続いている。 |
(問730-2解答)「盤面を広く見て王手の両取りをかける」 ▲3二桂成△同玉に▲4一銀と打ち、逃げると詰み。△4一同玉の一手に▲7四角と打ったのが実戦。銀は捨てるが、攻め駒の急所である4七の成桂を抜ければ先手必勝。特にこの局面で欲しい駒は桂(▲3二から捨てて▲2四桂が詰み筋)なので、この成桂を抜く筋が勝ちに一番近いと言える。 本譜は、△4九銀にさらに▲5九歩と銀も手に入れ、最後はその▲3二銀から即詰みに討ち取り、先手永瀬二冠の勝利となった。 |
先週の問題へ/来週の問題へ |