第737問(2020年2月16日 斎藤慎七段-永瀬二冠戦) |
(問737-1) 先手斎藤七段、後手永瀬二冠で戦型は角換わり腰掛け銀。最近では最も良く見る双方▲4八金▲2九飛の形から、仕掛けも今では定跡となった手順で。▲4五桂と単に跳ね、▲7五歩を突き捨て桂で△5三の歩を取り▲7四歩と打つ形。時間を使わずすごい勢いで進んで行ったが、終盤に入ると難しい応酬に変わった。そして少しずつ後手の攻めより先手の手厚い受けが優位となり、先手有利になっていった。下図は今▲6二とと金を取り先手優勢。ここで簡単に終わらせない為に後手はどうすれば良いか。後手の指した次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問737-2) 最終盤、後手が猛追して先手玉に迫った。それを丁寧に受け、下図は凌ぎきったところでもある。そこで後手は一旦△2二玉と上がって手を渡したので、攻める手を指すのも普通。しかし実戦はここで受けの手。そしてそれも味良い一着であり先手玉を盤石にしたとも言える。ここで指された先手の次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問737-1解答)「玉の安定を図る場所」 実戦は△4二玉の早逃げ。何もしないで▲5二桂成と成られると玉は狭くそのまま詰んでしまう。と言って△6二玉とと金を取るのは守り駒がいなくなり、その上玉飛接近形であっという間に必死だ。上部へ逃げられる形であれば引くよりも上に出た方が良い場合も多いがここではそれも出来ない。ということで、△4二玉と引いて玉の安定を図ったのが実戦。 本譜は▲5六金から後手の攻め駒を攻めてさらに引き離そうとしたが、逆に勝負手をくい猛追された。それでも丁寧に受けて再び差を広げたのが第2問である。 |
(問737-2解答)「玉の安定を図る-二段目に上がる」 攻めると駒を渡すことになる。たとえば桂を渡すと△9五桂、銀を渡すと△5八歩▲同金△4九銀などの攻めがあり、▲7九の玉は見た目ほど安全ではない。そこで実戦はじっと▲7八玉。この一手で先手玉はかなり安全になる。追われた時に▲6七玉と上がれるのが強みで、なかなか寄らない玉になった。 本譜は、この後も先手の攻めに、後手は頑強に受けに回ったが最後は即詰みとなり先手斎藤七段(放送日には八段昇段)の勝利となった。 なお、最後詰みの局面からほぼそのまま(余詰を消す為二枚持ち駒を少なくしただけで)出題したので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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