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NHK杯に見る受けの手筋

(2021年2月22日出題)

第788問(2021年2月21日 佐藤天彦九段-木村九段戦)
(問788-1)
先手佐藤九段、後手木村九段で戦型は先手のゴキゲン中飛車。これに対し、後手は2枚の銀を繰り出し攻勢を取った。先手は跳ね違いの桂で一旦侵攻を止めたが、駒損ながら後手は飛車を成り込み先手陣を攻める。下図はすでに終盤。しかしこの対局は放送時間いっぱいの熱戦になった。△6七金と張り付かれ受けきるのも大変そうに見えるがここから陣形を再構築する。ここで指された先手の次の一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問788-2)
上図より後手の猛攻をはねのけた後、先手が反撃に出た。その途中、後手の見落としだろうか、疑問手も出て先手が有利に立つ。しかしそこから簡単に崩れないのがトッププロ同士の戦いだ。下図は今▲8一龍と入ったところ。△9九の馬も利いているのでいきなり詰む訳ではないが、こうした所では一手前に自然に受けておく箇所がある。ここで指された後手の次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問788-1解答)「鍛えの入った一着」
筋良く▲4九に金や銀を打つ手は考えても実戦の▲4七金はやや異筋に映る。▲5七の銀を単純に守る手としては普通なのだが、このような所で打つ手に対しては「鍛えの入った手」という言い方をするかもしれない。ただアマ四、五段同士の感想戦で使う言葉で、プロ棋士それも元名人に対しては失礼な言い方ではあるが。

本譜は△6八成桂から△5九成桂と後手はこの成桂を使い攻めに厚みを加えた。これにさらに巧妙な受け方で先手陣を立て直し形勢不明の終盤戦が続く。しかし、途中後手の疑問手から先手が局面をリード、最後の戦いに入ろうとしているのが第2問である。

(問788-2解答)「飛車筋を止める一段歩」
受けの基本でもある飛車(龍)の利きを止める△5一歩が自然な受け方で固い。攻める時に、余程その筋に歩を使わなければならない場合以外は、このように歩で飛車の利きが止まるならこのように受けておきたいところだ。

本譜はそれでもこの位置から強引にこじ開けに行った。後手も際どく凌ぎ、先手が攻めきれるか後手が凌げるか難解な終盤戦は続いたが、最後は後手玉を受けなしに追い込み、先手佐藤九段の勝利となった。

なお、投了局面から余詰めを消して「今日の実戦の詰み」を作成したのでそちらもどうぞ。
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