第809問(2021年7月18日 近藤誠也七段-森下九段戦) |
(問809-1) 先手近藤七段、後手森下九段で戦型は相掛かり戦。先手は▲3八銀から▲3七桂、後手は△5三歩から右銀を繰り出しあまり見たことのない手将棋模様の相掛かりとなった。その後、後手は△1三角と端に角をのぞき、△6五銀から動く。対して先手も一歩も引かず、▲1六歩から▲1五歩。AIの評価値は、数パーセント後手持ちのほぼ互角。下図は△8七銀不成と棒銀のように銀が七段目に飛び込んだところ。ゴキゲン中飛車対超速でも見ることのあるこの銀の進出だが、これに対しどのように受けるのが良いか?先手の指した次の一手は何? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問809-2) 上図から形勢は微妙に揺れながらも互角のまま終盤戦に突入した。下図は、飛車を逃げる前に利かそうと、△2四角の王手を打ったところ。局後、次の一手を見てこの角打ちを後悔していた感じだが、ここで指された先手の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問809-1解答)「角を軽くかわす形」 ▲同金△同飛成はよっぽどのことがない限り先手が悪い(銀を手に入れることで、直後厳しい攻めがある場合などを除く)。このようなところでは、軽く▲6六角とかわしておくのが一つの形。ゴキゲン中飛車や速攻で動いてくる銀の時に出る受け方なので、級の人は覚えておきたい。 ただこの局面は、△7八銀成から△6五金の両取りが見えている。実際、本譜もそう進み、形勢はほとんど互角なもののAIの評価値は若干後手持ち。しかしその形勢も揺れ動き、難しい終盤戦が続いているのが第2問である。 |
(問809-2解答)「手厚い金の投入」 感想戦で、△2四角に期待してしまったと言っていたように、一見するとこの単純な王手の受けが悩ましいように見える。しかし、本譜▲4六金とここに一枚入れたのが好手。これが手厚い一着で先手陣への寄り付きが難しくなった。 本譜はそれでも形勢はやや先手良しくらい。△5二飛▲8一香成△7五香と進んで先手60%。ただ、距離感さえ間違えなければ先手の攻めは分かりやすく、後手の指し手が難しい。この後、後手も懸命に粘りを見せたがあまり手をのばすことが出来ず、評価値の差も見た目の形勢も開いていき、最後はきっちり寄せ切り先手近藤七段の勝利となった。 |
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