第830問(2021年12月12日 千田七段-稲葉NHK杯選手権者戦) |
(問830-1) 先手千田七段、後手稲葉NHK杯選手権者で戦型は相掛かり戦。先手が3筋の位を取り、▲2七銀から▲3六銀と進出した手に、後手は右玉で応じた。下図はまだ中盤。今、棒銀風に▲2五銀と出て▲2四歩からの飛車筋突破を狙っている。ここで後手はどう指したら良いか?こうした所では当然の一着がある。ここで指された後手の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問830-2) 上図から飛車を成り込んだ後、▲8二金と飛車頭に金を捨てて▲2一龍と入るやや強引とも思える手段も出現したが、先手優勢で進んでいる。下図は今△3七歩成▲同金に△6五桂と後手も反撃に出たところ。次に△4八角と打たれると一気に逆転。この筋は受けなければいけないが、ここではどのように受けるのが良いか?先手の指した次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問830-1解答)「タイミングは、出てきた瞬間にさばくこと」 ここでは△3四歩がほぼこの一手。振り飛車では「角をさばく」という場面に良くなるが、タイミング的にはここも同じ。攻められそうな直前、つまり相手の駒が出てきた瞬間に攻められそうな駒(ここでは角)をさばくのがポイント。これより早いと単なる歩損に終わり、遅いと攻め込まれて不利になる。 本譜はそれでも▲3四銀と銀を進出させ、▲2三銀成〜飛成が実現し、難しいながらも先手ペースに。そして、強手▲8二金が入り、徐々に先手優勢へと進んでいるのが第2問である。 |
(問830-2解答)「技をかけられる直前にさばく」 大駒ではないが、ここでも▲7七桂が非常に味良い一着。何もしないと、△4八角と打たれ、▲4九桂と受けても、△5七桂成から△3七角成と金を取られてしまう。このように攻めが来る直前に遊んでいる▲8九の桂をぶつけてさばくのが感触の良い一着。△4八角なら▲6五桂が先手で利くので問題ない。 本譜は、仕方ない△7七桂成に再度△6五桂と打ったが、▲6六銀と出て壁銀解消の上▲8九の桂も持ち駒になり先手好調。そして、▲8六香を防ぐ△3五銀の一歩補充に▲5五桂から後手陣に襲いかかると、粘る後手を突き放し先手千田七段の勝利となった。 |
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