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NHK杯に見る受けの手筋

(2022年1月10日出題)

第833問(2022年1月9日 深浦九段-広瀬八段戦)
(問833-1)
先手深浦九段、後手広瀬八段で戦型は相雁木。双方腰掛け銀から先手が▲4五歩と仕掛けて戦いが始まった。その後、角交換から、後手は桂得を約束された形にしたが、その代わりに先手から猛攻をあびることになる。玉頭を叩かれ、△同金にさらに今、金頭を▲2四歩と叩かれたところ。ここで「次の一手」と出されればこれしかないが、先手の攻めを読んで正確に受けるにはどうするか?後手の指した次の一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問833-2)
上図から先手の攻め、後手の受けは続きAIの形勢は少しずつ先手良しで推移した。しかしその後先手の攻めが徐々に急所に入っていき、先手優勢から勝勢に。下図は今△6六歩と金頭を叩かれたところ。ここで後手玉に必死がかかるなら自陣を見る必要もないが、まだはっきりはしていない。そこでどうするか?先手の指した次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問833-1解答)「かわして辛抱する順」
普通このような金頭を叩かれた時は、取れなければ悪いとしたものだが、ここで取るのは▲5三桂成から▲4二角がある。それはさすがに悪いので△1三金と辛抱したのが実戦。

本譜はそれでも難しく▲2五飛に△4五歩と後手は一旦は桂得したが、▲7四角から桂を取り返すと、徐々に先手が良くなっていった。そして最終盤、勝ちまでもう少しとなっているのが第2問である。

(問833-2解答)「金は引く手に好手あり」
格言通りの局面という訳ではないが、ここではじっと▲6八金引と引いて置くのが手堅い一着。△6七銀ならさらに銀が一枚入る手が残り、本譜△8七歩なら、金取りになっている局面よりだいぶ先手陣が安定している。

本譜は、▲4一角の詰めろに△2四金上とかわしたが、▲2一銀不成から一気に後手玉に必死をかけ、先手深浦九段の勝利となった。
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